過去拍手文

□過去拍手文1(4/17〜5/22)
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ある春の休日。
ケイスケが昼飯を作っている間、アキラは一人近所を散歩していた。

今日は絶好の散歩日和。

朝そう言っていたニュースキャスターの言葉を思い出す。
確かに、寒すぎず、暑すぎず温かい。
時折頬を撫でる風が心地よい。
ゆったりと歩いていたつもりなのだが、あっという間に家に着いてしまった。
もう少し散歩したかったが、後でケイスケでも誘って行こうと思い、家の扉を開ける。

「ただいま」

室内にはケチャップの匂いが漂っている。

多分昼飯はオムライスだろうな…。

そう考えてから、違和感を感じる。

「………ケイスケ?」

いつもならアキラが帰ってきたら真っ先に飛んできてお帰りを言ってくるケイスケがいつまでたっても来ない。
それが習慣になっていたので無いとどこかモヤモヤする。

ひょっとして自分を探しに出かけてしまったのだろうか。

だとしたら少し申し訳ない気分だが、買い忘れの物があったのかもしれないと思い直し、とりあえず部屋で待つ事にする。

「…何だ、ここにいたのか」

部屋に入ると、ケイスケがいた。
気持ち良さそうに、眠っている。

この陽気じゃあ、仕方ないか。

アキラもケイスケの隣りに寝転がってみる。
畳がポカポカ温まり、開け放たれた窓からは気まぐれに風が入ってくる。

「アキラ…」

名を呼ばれ、ケイスケの方へ顔を向ける。
しかしケイスケの瞼は閉じられたままだ。
多分寝言だ。
夢の中にまで自分が出てくるのが、嬉しいような恥ずかしいようなむず痒い感覚になる。

ケイスケの平和な顔を見ていると、自分も眠くなってくる。
アキラは欠伸を一つして、ケイスケがいるであろう微睡みの世界へと向かった。



















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