雑文
□雑文1
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私は、あぁ、これが一目惚れというやつなのでしょうか。日本人とは思えない髪色で
陶磁器のような白い肌でした。ですがいつも彼は笑うことをしませんでした。いつ見ても暗い顔をしていました。彼はいったい・・・
あぁ、なんてことでしょう!神がいたら崇拝したいぐらいですよ!
私がたまたま入った部に彼はいたのです!!
「ねぇ、2人、ダブルスしてみない??」
「え・・・?」
1年部長の彼がそういったのです。あなたは、神ですか??
「・・・・・・」
私の近くに居る仁王君は相変わらず、寂しげな顔をしていました。
「ね?」
「え、えぇ、私は構いませんが(むしろ是非!」
「仁王はどうなの」
仁王君はチラッとこちらを見ると顔を歪ませました。
「仁王〜そんな顔しないで、やってみなって!」
仁王君は私と幸村君を交互に見て、チッと舌打ちして、自分の束ねた髪を触りました。
「え、いいの?ありがとーじゃ、頑張れよ!」
い、今のが了解の動作なのでしょうか・・
と考えていると仁王君はさっさと向こうへ行ってしまいました。
「ま、まってください!」
と叫ぶと仁王君がチラッとこちらを向いて立ち止まりました。
「あの・・・・よろしくお願いしますね」
私が言うと仁王君は私の差し出した手を見て眉を寄せた後にラケットの先を私に突き付けてきました(ラケットに握手しろということなのでしょうか・・・)
「仁王。」
私が戸惑っていると柳君が後ろから来て、仁王君にちゃんと手でしろ、と言いました。
「・・・チッ」
仁王君はまた舌打ちをした後手を差し出しました。
その手をキュッと握るとビクッと仁王君のてが震えました。
「・・・・!」
仁王君はバッと私から手を離して、
走って向こうへといってしまいました。
「すまないな、柳生。ああいう奴なんだ。
極度に人から触れられることを嫌うんだ。」
「そうなのですか、悪いことをしました・・・。」