アレンくんの部屋

□White Love
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12月25日。


今日は僕にとって忘れる事の出来ない、大切な日。








『White Love』








「ねぇ神田。アレンくん知らない?」
「あ?」



少し遅い昼食を食べ終え、食堂を出ようとした神田を、すれ違い様、リナリーが呼び止めた。


「今日はアレンくんが主役の日じゃない?夜までアレンくんが食堂に来ないように、足止めしたいんだけど・・・。神田ならアレンくんの居場所、知ってるかと思って」
「知らねぇよ。一日中一緒に居る訳じゃねぇからな」
「そうなの?じゃあ・・・アレン君探して来てくれない?」
「あぁ?何で俺が「探してきて!あなた恋人でしょう?素直じゃないんだから」
「・・・・・チッ」


リナリーには歯向かう事が出来ず神田は一つ、舌打ちをすると、渋々承諾した。


「見つけたら、夜まで談話室でも鍛練場でもいいから、留(とど)めておいてね。外が暗くなったら、アレンくんを食堂に連れて来て。それまでに準備済ませるから」



リナリーは、それじゃ頼んだわよ、と言うと、食堂に向かって去って行った。







今日はモヤシの誕生日らしい。一週間前に突如聞かされた。


俺の誕生日をモヤシが知らなかったように、俺もモヤシの誕生日を知らなかった。お互い、話す事がなかったからだ。


恋人である俺の誕生日を大事に思っていたのだから、自分の誕生日も祝ってほしいのではないだろうか。

今日はまだ会ってない。
祝いの言葉を贈れば、あの花が綻ぶような綺麗な笑顔で笑ってくれるだろうか。

無性にモヤシに会いたくなって、自分の足で探す事にした。
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