2PM

□ベイビー・アイラブユー
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わたしは、ウヨンの話す声が好きだ。
だから、もっと話してって言う。



ウヨンは笑ってる、
わたしにからかわれてると思ってるけど、
ほんとのことなのに。




「名無しさん?」




なにげなく呼ばれるたびに、
わたしの心臓はどきりとしてしまう。





わたしは、ベッドに座って、ウヨンの肩に頭を預けた。




「重たいなー、」





「うるさい」







文句を言われたけど、
わたしにとっては幸せな時間。





ウヨンって案外たくましい体だから、なんか余計にドキドキする。




いつもは可愛いこと言ったりしてるくせに、普通に男の子なんだな、なんて改めて思った。














「ウヨン最近かっこいいよね」






「最近?」







「うん。最近。」







「前はかっこよくなかったわけか」







耳元からすぐ近くで話す声が聞こえる。





「そうゆうわけじゃないんだけどさ」







「だって、僕名無しさんの彼氏だからね。かっこよくないわけないじゃん」








「それもそうだね」












わたしが選んだんだからかっこいいはずだよねって笑ったら、ウヨンも呆れたみたいに笑った。













「名無しさん」










ウヨンの腕がわたしの肩に回った。


ぎゅっと抱き寄せられると、
さっきよりさらに、隙間がなくなる。






「なんか、こうゆうことされるとさらに彼氏っぽい」







「だって僕彼氏でしょ」








「うん、」






「名無しさん?」





「え?」







わたしが返事をしたのを塞がれるように、
唇が重なった。


一瞬の出来事に動揺していると、
ふっと唇が離れた。



恥ずかしそうに俯くウヨンは耳まで赤くなっている。



「名無しさんがかわいいこと言うから、キスしちゃったじゃん」



驚いて、何も言えなくなっているわたしに、ウヨンはもう一度、キスを落とした。



そのまま、
体が倒れ込むにベッドに沈んで、

恥ずかしくて目を逸らしてしまいたくなるくらい、ウヨンの顔がすぐそばにある。



ブラウスのボタンに手をかけられて、わたしは体を竦めてしまった。



「嫌だった?」




「違う」






外れたブラウスの隙間から熱を持った手が触れた時、








電話の着信音が鳴った。






「ごめん、マネージャーから」






起き上がって、何事もないように普通に電話をとった。


窓のほうを見ながら話すウヨンを、わたしは横になったそのままの姿勢で見つめる。




ドキドキした。
息が止まりそうなくらい呼吸が苦しくなって、でも全然嫌な感じはしなくて。


なんか、こう、不思議な感じがした。








「ごめんね」






電話を終えたウヨンは苦笑いして、わたしに言った。





「なんか、すごいタイミングだったね」





「慣れないことしたからかも」





「そうだよ」






「名無しさんその気だったくせに」





「違うもん」








体を起こしていたわたしの隣にウヨンは座った。


何か言おうと考えていたら、
突然抱きしめられた。





「名無しさん、好き」




「わたしも好きだよ」





「こんな僕でもいい?」




「そんなウヨンが好きなの」



わたしもぎゅっと抱きしめかえした。








「続きは、今度必ずしてね」



「わかってる」






なんとなく、最後の言葉が男らしく聞こえて、

また、どきっとした。






いつまでも、

この温もりをずっと感じられるだけ、感じていたい。










2人の距離が、もどかしいけど、
少しずつ近づいていくくらいが、

わたし達にはちょうどいいのかな、なんて思った。





















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