神様の12の使い魔

□B & Wーブラックアンドホワイトー
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「え?ちょっと待って!中学二年生の男の子の願いを叶えろって、このくらいの人の子ってやりづらいじゃん!オレにこの依頼持ってくるの間違ってるでしょ!?嫌だ!」


父である神の今回の依頼をシロに伝えると、担当年の発言とは思えないほど堂々と依頼を突っぱねた



「間違ってるわけないでしょ?ボク達が今年の担当なんだから。しかも、人から見ればボク達もそのくらいの年にしか見えないからね」
「だーかーら!どう考えてもこういう子はエスとかの方が合ってるって!」
「そう思うならシロが直接エスに頼みに行きなよ。ただし、ボクを巻き込まないでね」



見た目で言えば、人の年齢で言うところの18歳未満に見える背格好をしている家族に特別優しいエスなのだが、自分勝手な事や我が儘にはそれなりに厳しく、今回のようなシロの言い分で依頼担当を変わって欲しいなんて言えばどうなるか、火を見るより明らかだ



「えー、絶対怒られるじゃん!」
「それが嫌ならちゃんと役目こなしてよ」
「だいたい、なんで家族で見た目に大小つけたんだよ!」
「意味があるからでしょ。わかってる事をいつも言わないでよ」
「クロ厳しいな・・・」
「シロが我が儘なだけでしょ」



人のように年齢があるわけでもなく、まして同時期に創られた存在のボク達使い魔なのだが、神の意向によって何名かが幼く創られている


父いわく、人によって大人に見えるモノには心を開かない、開けない人間もいるらしく、そういった依頼主にボク達のような見た目が小さい家族が宛がわれるのだ



「けど、人の感情を知るためとはいえ、同じ年代に見える人間の心はいらなかったかな」
「クロにはそこまでないだろ?」
「ボクにはね、だからこそシロは大変だな。と思うけど、面倒くさいとも思ってるよ」
「辛辣過ぎる」


神の使い魔である家族全員に、個々の個性とは別に、大まかな人の心と、それぞれの見た目に見合った人の心を持たされているため、幼い心を持たされた使い魔は、他の家族に比べ特有の幼い感情が混ざっているのだ


特にシロは、ボクが持たされるはずだった分の幼さも僅かに引き受けているから、尚更面倒な性格だったりする



「何にしろ、まだ依頼主ではないよ?」
「え?どういう事?」
「たまにあるでしょ?この年代のありえない内容をやたら強く願うアレ」
「まさか・・・」
「他の願いが聞こえにくいから、どうにかしてきなさい。だってさ」
「そういう事か」


今回の行動内容を伝えると、シロは納得がいったように頷きながらも、表情は更に嫌気を露にしていった



「え・・・、尚更嫌なやつじゃん」
「さっさと終わらせたいからボクもう行くよ」
「ちょっと待てって!オレも行くから!」


シロの呟きに否定も肯定もせず、先に家を出ようとすると、シロも慌てて後をついてくるのだった
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