神様の12の使い魔

□Imuzenー イムゼンー
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「やっほー!久しぶり!エス!」
「見るからに落ち込んでるじゃん」
「お邪魔しまーす」


先頭で賑やかに入ってきたイワを皮切りに、キカとメリーも勝手に人の家に入ってくる


「入って良いなんて一言も言ってないんだけど」
「じゃあ俺が許可する」
「ミザ兄が許可してくれたら、問題ないじゃん」
「だね!」
「うん」
「何でだよ。お前ら兄弟+1イヤだ…」


人の家に居ながら、家主の言葉よりミザの言葉を優先する面子に頭を抱える


「メリーは乗っからなくても良いだろ?!」
「乗っかってなんていないよ?本当に思ってるだけ」


メリーはこの中で一番無害に見えるのに、見た目に反し、そこそこな性格をしているのが厄介なのだ


まあ、あの三兄弟、更にはイワと仲が良いのだから、クセがあるのは当たり前なのだが・・・


「今凄い失礼な事考えなかった?」
「そんな感じしたね」
「別に」


そしてこの鋭さである


家族の中でも群を抜いて鋭いのは、おそらくミザとキカで、次いでメリーとイワだと思う



「もう大人しくしとくから、帰ってくれ」


依頼を担当する事も、手伝う事もしてはいけないのなら、暇が嫌とは言え、この面子の相手をする方がもっと嫌だ



「何言ってんの?まだ、揃ってないから」
「は?」
「暇が嫌なエスの為に、暇を感じさせない家族を集めたからな」
「・・・嘘だ」



もう、突っ込む元気もなく、囁くような声しか出ず片手で頭を抱える中、またしても人の家のドアが勝手に開かれたのだった



「来たよー!あ、エス久しぶり!」
「何で俺まで!離せ!ピッピ!」
「ちょっとシバうるさいよ?エスが怒るでしょ?」
「それ以前の問題だ」


予想通りの顔ぶれに、頭を抱える手が自然と両手になる



「ほら!エス嫌がってんじゃん!俺帰るな」
「そうしてくれ」


ピッピに引きずられるようにして連れてこられたシバに、手を上げて答えてやると、今現在一番口を開いてほしくない奴が言葉を発した


「ちょっと輪を乱さないでよ」
「は?」
「皆でやるって話だったのに、今更何言ってんの?」
「待て!それ以上喋るな!キカ!」



急いでキカを止めようとするが時既に遅し、ただ一人帰ろうとしてくれていたシバは、思いっきりソファーに腰を下ろした


「何でお前達はそうなんだ?」
「俺のせいじゃないし」
「こっちのセリフ」


この二人は何と言うか、嫌い同士という訳ではないのだが、合わないのだろう

ただ、認めあってはいるので、何とも複雑な関係である




「ミザ。話がある」
「だろうな」


そして、この状況で一番口を出すべきであり、おそらくこの状態を作り上げた元凶でもあるミザを、別室へと呼び出したのだった
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