神様の12の使い魔

□I ro T ーアイロティー
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「え?何で?」


自宅に届いた数通の手紙の中から、他とは見た目から違う一通の手紙を開け、中を確認した後、ピッピは一人首をかしげた


「父さんから直接呼び出しなんて、俺何かしたかな?」



読み終えたその手紙を、テーブルに置き、用件も書かずに呼び出してきた父の元へと、急ぎ向かったのだった





【IroTーアイロティー】





何もないだだっ広い空間に立ち、どこともなくピッピは声を掛けた


「ねぇ、何で俺呼ばれたの?」
「少し話があってな」


その呼び掛けに答える声の主は、どこからともなく姿を現した


「今回渡そうと思っている依頼なんだが、どうするか直接お前に聞こうと思ってな」
「どういう事?」


いつも、父親である神からの依頼は、その願いを叶えるかどうかは神が決め、自分達家族が神から授かった力を使い実行している

その為、依頼内容を実行するかに対して、意見を求められた事が今だかつてなかったため、謎でしかない



「今回は今までとは違ってな・・・」
「どういう風に?」
「まず、依頼主に関する情報を渡そう」


そう言うと、神は指をピッピに向け弾いた

それを受けたピッピは、一瞬驚いたように目を開き、そうして静かに頷いた


「あぁ、そういう事か」
「どうする?」
「当然受けるよ」
「だろうな。では、もう1つ」
「何?」
「今回の依頼に対して、父の名のもと、他の家族を連れて行っても良いぞ?」
「それは、ミザとシバの事?」
「そうだな」


こんな事を言う父は、とても珍しい

普段、担当年以外の家族が手伝ってくれる時は、直接頼みに行くか、相手から協力をかって出てもらわなければいけないのだが、父の名を使えば相手に拒否権を与えず、強制的に手伝わせる事が出来る

ただ、いくつかの規制が付いたりもするので、嫌がる家族もいる


けれど、それを使っても良いという程、今回の依頼が特殊なものである事を示唆していた



「良いよ。俺1人で行く。その代わりーーーーー」
「わかった。そうなった時は、伝えよう」
「うん。じゃあこの依頼、担当ピッピが承った」
「頼んだぞ」
「了解」



そうしてピッピは、一度自宅へ戻った後、依頼主の元へと向かったのだった


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