頂き物

□I do not do being in love anymore
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いつもの公園、巡回中だが一休みしてベンチに座ったら

隣から酸っぱい匂いが漂ってきた。

「おぉーサド王子ぃー。 こんなトコで何やってるアルか?」

「仕事中だィ。あと名前で呼べ。 ただの変態みたいじゃないかィ」

「・・・でも、私お前の名前知らないアル。

 ゴリラとマヨラーとドS。 個人情報なんてそれだけで十分ネ。」

「・・・まいったなァ・・・」

俺はこんなに、アンタの事知りたがってるのに。

名前だけじゃない、固有名詞じゃ表せない  もっと深い何かを。

「あっ、いたいた。神楽ちゃーん 何やってんのー?」

向こうからふらふらと万事屋の旦那が近づいてくる。

「銀ちゃん!」

チャイナ娘も旦那の方に駆け寄る

「今日のご飯何アルん!? 酢昆布アルか!?」

もう、オレのことなんて見ちゃいねぇ。

「ほら、帰んぞ、 ったくこれだからガキは・・・」

「オイ、アンタんたとこのチャイナ娘のせいで俺まで酸っぱい匂い移っちまったじゃねーかィ。どうしてくれんでさァ。」

「あれっ?君確かゴリラんとこの・・・」

「銀ちゃん銀ちゃん!私お腹空いたアル。早く帰ろうヨ」

俺と旦那の話を遮って小娘は旦那の方を見て無邪気に笑ってる。

あんな笑顔見たこち無ぇ。

俺には見せないくせに

分かってる。もう、これ以上近くなれないことくらい

分かってるのに つい手を伸ばしてしまう

寂しいだけなのに、

虚しいだけなのに、_____

どうすれば、こっち向いてくれるんだろう

何をすれば、そんな風に笑ってくれるだろう

無理なことくらい分かっているのに。

携帯が鳴った。 土方からメールが来てる。

「10分以内に帰ってこなかったら切腹」  と書いてあった。

ベンチから立つと、軋んだ音がした。

「じゃあ 俺帰りまさァ あばよチャイナ娘」

「じゃーなー。S王子ー」

そう言って『神楽』は笑った。

でもやっぱり、旦那に向ける笑顔と違う

別に誰かを恨むわけでもないのに、悔しい。

なぁ、笑ってくれよ______

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