*遙時

□■草笛
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そのような表情も見せるのか。
この胸に、微かだが灯る嬉しさは
何なのだろう…?


ピィー…


「上手いな、翡翠」

そう言いつつ、
彼もまた、私に合わせるよう
草笛を小さく奏でた。

「お褒めに預かり光栄だ」


勝真、君に解る?
言い様の無いこの感情が。

暖かいのだよ、とても。
心地良く私を受け入れてくれる。
伝えたくて、仕方無い。
ああ…、私ともあろう者が情けないが。


ねえ、勝真…、教えてはくれまいか…?





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