*遙時
□■惚れた腫れたで
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いつもより早く仕事から帰って
俺を呼びつけたかと思えば、
友雅が言ったのは
さっきの、『結婚しよう』で。
殴ってやろうかと
一瞬本気で考えちまう。
「天真、返事を待っているのだがね」
「あー、はいはい」
でも、どうせ言ったって殴ったって
コイツの馬鹿は治んないだろうから、
冗談を受け流すように
適当に答えてやったんだ。
「よし、では行こうか」
「は?どこにだよ」
これ以上何を言うのか。
はぁ、とため息をついて
俺は言葉を待っていたが、
聞こえた単語に、気が遠くなった。
「決まっているだろう
勿論結婚式会場へ、だよ」
―――死ね。
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