*遙時

□■惚れた腫れたで
2ページ/6ページ



いつもより早く仕事から帰って
俺を呼びつけたかと思えば、

友雅が言ったのは
さっきの、『結婚しよう』で。


殴ってやろうかと
一瞬本気で考えちまう。


「天真、返事を待っているのだがね」

「あー、はいはい」


でも、どうせ言ったって殴ったって
コイツの馬鹿は治んないだろうから、
冗談を受け流すように
適当に答えてやったんだ。


「よし、では行こうか」

「は?どこにだよ」


これ以上何を言うのか。
はぁ、とため息をついて
俺は言葉を待っていたが、
聞こえた単語に、気が遠くなった。





「決まっているだろう
勿論結婚式会場へ、だよ」





―――死ね。





.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ