*花恋言葉
□藤:友天
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美声に伴う見目麗しい男、橘 友雅に言い寄る女性は後を絶たない。
もちろん今日も同僚の美人から、相も変わらずお声が掛かるのだが。
「橘先生、お昼ご一緒にどうです?」
「いや、先約があってね
誘いを断るのは忍びないのですが
いつかまたの機会に」
近頃昼休みになれば、やんわりと誘いを遠ざけて彼は屋上に向かうのだ。
―ガチャ、
「やあ、森村くん」
「……またアンタか」
向かった先には、ひとりの男子。
寝そべっていた体制を起こして、不機嫌そうに友雅を見据えた。
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