*企画部屋

□■Honey & Love
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―――――Honey & Love


五月二十四日、それは決戦の日。
相手に悟られてしまっては敗北、
計画が全て失敗に終わってしまう。

慎重に、何が何でも
翡翠にバレる事だけは回避せねば!


「(今日は翡翠の誕生日だからな!)」

この日の為に逢瀬もせず
ずっと花梨に教わっていた、
『ケーキ』を完成させなければと
青年――勝真―は心に強く決意する。

「頑張りましょうね、勝真さんっ」

「ああ…やるぞ花梨!」



一方。
勝真がそんな健気な決意を
している事など知らない翡翠は、
自分にとって特別な日を
恋人に祝ってもらおうと彼を探していた。


「頼忠、勝真を知らないかい?」

星の姫君たちの屋敷前、
門を警護していた頼忠に出会い
翡翠は朝から見かけぬ恋人の所在を問う。


「…市に行くと聞いた気がするが」

一瞬頼忠の眉間に皺が寄ったが
いつもの表情と何ら変わりなく、
翡翠は至って気にせずに
「そうか」と告げて屋敷を後にした。


「(神子殿…主の命だが
源の武士が人を騙すなど私は…!
いや、これも八葉の勤めか…?)」

頼忠の馬鹿な葛藤は誰も知らない。





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