*遙時

□■道化者の哀しき嘘は
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俺は道化になりきれているのか


―――――道化者の哀しき嘘は


「景時、また洗濯をしているのか?」

木漏れ日の中、君はいつものように俺の前に現れる。
朝稽古が終わったところなのか、少し強い陽射しに身体を流れる汗が光って。

―――ああ、すごく眩しい。


「あ〜、うん」

「本当にお前は洗濯が好きだな」

「あは、これしか取り柄がないからね〜」

適当に誤魔化して、ゴシゴシと、君の視線からソレを隠すように俺は汚れを洗う。
…血に濡れた、自分の布を君の目に触れさせないように。

真夜中に出かけ、頼朝様の命を受けて、人に銃を向けていた徴(しるし)を。


これは取り柄なんかじゃない、
必死になって自分を隠す臆病者の逃げ道。



だからそんなに、
優しい目を向けないでよ





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