*遙時

□■勿忘草
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「(互いの心は繋がっている、と)」


―――――勿忘草


「‥つ、…ここ、は…」

白龍の神子と時空を越えた際に、
どういった訳かひとりだけ
違う時代へと流されてしまったらしい。

彼は平泉において重要な人物、
源氏と平家との戦の真っ只中に居た
泰衡という青年だ。


「神子殿は居らず、か」

辺りを見回せば、大きな池が
広がるばかりの見慣れない風景。
人影は見えず、見えたところで
不審者として捕らえかねない。
身元の証明など出来ないのだから。


「龍神も面倒なことをしてくれる…」

泰衡は眉間に皺を寄せ、
ぶつぶつと龍神への文句を呟いた。

そこに。


「天女かと思ったが、
まさか男だったとはね…
ふふ、驚いたよ」





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