*遙時

□■前期拍手内容集
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(前期拍手内容)


―――――気付かれぬ想い



「やあ、」

前方に居る二人に声を掛ければ
何故此処に居るのかと
訪ねたそうな表情を君は露にする

「…なんで、ここに居るんだよ」

ほら、ね
君はとても解り易い
隣では忠実な武士が軽く頭を下げ
邪魔にならぬ様にと
我々の前から姿を消した

「おや、つれないな
君に会いに来たとは、思わないのかい」

「そーゆーこと誰にでも
言ってんじゃねーぞ、オッサン」

オッサン…
それは酷くは無いかい、天真
私はこれでもまだ三十路過ぎだよ

「誰にでも…ねえ
私は君に恋い焦がれていると言うのに」

「はいはい、勝手に焦げてろ
女房さん達がお前を探してたぜー」

これ以上は面倒と言いたげに
ヒラヒラと手を上げて
異世界の彼は私の視界から姿を消す





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