*物語
□■優愛のレシピ
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たまたま、通りがかったから
―――――優愛のレシピ
双子の一件が終わって、
全て元通りの生活が再び始まった。
緩やかに平和に。
無論、左目の戻らないこの男と
事件の張本人だった青年にも。
「……カーティス、
何でお前がここにいるんだ?」
「まあ良いじゃないか
博識屋も新装開店中で退屈なんだよ」
カーティスと呼ばれた男は
悪びれたふうも無く、
クロード――今は久作――の家で
優雅に寛いでいる。
「僕はもう人間として生きている
悪魔と関係を持ちたくはない」
「そう言いつつも君は
こうやって僕という悪魔を
家に入れてくれるよねぇ」
「お前が勝手に入ってくるんだろ……」
主に壁をすり抜けてくるのだから
家に招き入れるなどの問題では無い。
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