灰男

□最後の神
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そして午前2時頃、貴方は部屋に来た。私から迎えにいこうと思っていたけどその手間は省けたわ。


「……あら。……いらっしゃいミランダ。……入っていいわよ?」

「えぇ……お邪魔します……!」


何もかもを疑わずに私の部屋に入ってきた貴方はとても優しい人……そしてとても愚かだわ……!!


「ミランダ?早速で悪いけど、お昼に言っていたことを教えてあげるわね?」

「えぇ、リナリーちゃんッ!!」

と純粋に笑顔を私にむける貴方に私は悲しくなった。だって、この顔がこの後、どんどん絶望に変わるんだから……。この私によって!!

でも、嬉しいわ。だって、私はこれから貴方を愛することができるんだもの。


「まずはね、ミランダ?……そのベッドに寝そべってちょうだいな。……あぁ、勿論仰向けでね?」


私の指示通りミランダは私のベッドに仰向けで寝そべってくれた。普通はこの段階で気づくけど、そんなところがミランダのいいところで、同時に悪いところね。


私は、そんな貴方が好きなのよ。


「え、えぇっと……こ、こうかしら……?リナリーちゃん……?……よくわからないけれど……!」

彼女は、聞いてくる。

あぁ、本当に可愛らしいわ。今すぐ、今すぐに貴女の体を愛したいわ!!

「……うん。そうそう、いい感じよ。じゃぁ……始めるから……。ミランダ!そのままでいてね?」


私は、ミランダに催促してから、そのまま、ベッドに私も乗った。ミランダの上に、といったほうが妥当なのかしら。

二人分の体重を支えて、ベッドが、きしりと少しだけ音を立てた。

「え、……えっと……?り、リナリーちゃん……どうしたの……?」


あらら、少し変って気づいたみたいね?でも、もう遅いわ……!!

「ふ、ふふふふ……ミランダ……!……ねぇ、可愛いミランダ……貴方が、貴方がいけないのよ……!?」

と、彼女が何かを言い始める前に、彼女の唇を私のそれで塞いだ。


「んっ……!?うむッ!?」


ミランダは呻いた。下の彼女の体が動くのがわかる。でも離さないわ。
だって、ねえ。貴方の全てを愛せるのは私しかいないんだもの。
口内で私の舌を暴れさせていく。

彼女の手は、あまり抵抗されないように上で強めに押さえつけておく。
こんなこと本でしか読んだことなかったけど……上手くいくわね。

「ん、むっ!?む、んんーッ!」

ミランダは目を見開いて力の限りに暴れる。だけど私には効かない。同性だけど力は私の方が強いから。そしてミランダの服を掴む。

「ミランダ……貴方が悪いんだからねッ!!……貴方が、私にあんな相談事をするからッ……!!」


私は、身勝手な言い訳をしながらも彼女の服を強く、強く掴んだ。それでミランダの手は自由になる。

すると、ミランダが私の頬を触ってきた。
それも、怒りの顔じゃなくって。


「ねえ、リナリーちゃん?どうして、そんなに泣きそうな顔してるの?」


いつものように心配そうに聞いてくるミランダに、私は顔を歪ませた。そして目からたくさんの涙が流れてきた。

「……なん、で!?私は今、ミランダにこんなに酷い事してるのになんでそんなに優しくできるの!?」

涙を流し続ける私を、ミランダは優しく抱き締めてくれた。そして、ふわりと涙に唇をよせた。

「だって……私は、リナリーちゃんの事が好きなんだもの。貴方が望むようなことではないけれど。……ごめんなさい。でも、私は貴方が好きよ?」


いつものような笑みなのに精神的に落ち着いている彼女に私は、彼女が大人で、自分がバカで愚かな子供だということに、気づかされた。


私はやっぱり子供なのね。未熟なのは、当に気づいてる。でも、ここまで私と貴方の前に壁があるとは、思っていなかった。

私が無意識に、こんなにも貴方に頼っていたなんて……。また、涙が溢れた。


end
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