〜もう一つの世界〜

□彼女達の決意
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そしてそこから数分後に、やっとNERV本部へと辿り着いた。そして車はコンベアに乗り上げて、どんどん地下へと下降していく。


すると、地下都市が見えてくる。




「ここが、NERV本部だよ!」




この地下都市こそ、我々人類の最後の砦、NERV本部である。




「じ、ジオフロント……!?」




ミサトは、僅かに微笑みながら、興味津々に下の都市を見ている。




その都市を見ている彼女の姿は、14歳の少女そのものであった。


シンジは、ミサトのそんな表情を、穏やかな表情で見つめていた。




(そうだ……。僕もあの時は本当にビックリもしたし、生で見れたから嬉しかったっけな……!!)



とシンジは、14歳であった自分自身の事を思い出していた。




(まさかこれから戦うだなんて。……思いもしなかったんだよな)




いきなり、エヴァンゲリオンが現れて。それに乗れと周りの大人に言われて、渋々と乗って……。



まさか、あんな大変な運命を背負うなんて、思ってはいなかった。


だけど今回は、自分はミサトのように、命令を下す立場に立った。



ミサトさんの立場が、どれ程に辛い仕事だったのだろうか。それをただ、知りたかったからだ。


別に、他の人々を断罪するつもりは毛頭ないのだ。それをするつもりだったら、他の人々の記憶を消すことは、しなかっただろう。



そして、自分の大切な人に命令を下すことがどれ程きついことなのかを、知りたかったのだ。





「……ここが、NERV本部?私が、呼ばれた場所ですか……?」



と彼女は、不安げに尋ねてきた。



「うん……そうだよ、ミサト。君を必要としている場所だよ……」



と答えてから、シンジはミサトの頭をフワリと優しく撫でていた。



「……!」



ミサトは最初は驚いていたが、シンジに今まで見せたことのないような、澄んだ笑みを浮かべた。


大人の頃のミサトも、ここまで安心しきった笑顔は見せなかった。

やはり大人は大人なりに、たくさん苦しいことがあったのだろう。




その笑みは、シンジにはミサトの本当の笑みに見えていた。







続く
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