短編小説
□アタシの側にいて!
2ページ/4ページ
レイはしばらくして、意識を取り戻した。今はセーラーマーズだ。頭がぼうっとしている。いったい何が起きたのだろうか。
「痛……敵はどうなったのかしら……?」
なぜ自分は倒れていたのだろう。呆けた頭を振り、記憶を呼び戻す。……確か敵に襲われたのだ。後ろから。そして……セーラームーンの声を聞いた後に意識が飛んだ。
「……そうよ!!セーラームーンはッ!?」
とレイは飛び起きて、直ぐ様うさぎを探す。するとレイが倒れていた所から軽く10メートル程離れた所に、うつ伏せに倒れていた。
戦っていた敵は、すでに倒されていたのか、敵の妖気は全くといっていいほどに感じないのだが。
「まさか……敵と相討ちになった?」
うさぎは、敵と戦っている最中に髪の毛がほどけたのか、いつもの様なお団子頭ではなく、自分の様なストレートになっていた。
レイは直ぐ様うさぎに駆け寄って、優しくうさぎを抱き上げる。その体は傷だらけで。
「……うさぎったら、起きてよ。冗談はよしなさいよね!!」
彼女の肩を掴み少し強く揺する。しかし、うさぎは目覚めない。彼女のその傷だらけの体は、ダランと投げ出されるようになった。
「……う、うさぎ……ッ!!」
そして、レイは一番最悪な考えに達してしまう。もし……もしも。
うさぎが、もう二度と目覚めなかったとしたら……どうしよう。
.