〜もう一つの世界〜

□NERV本部へ
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コンベアも降りきったので、駐車場まで自動で動いていく。



彼らは、やっとこさNERV本部の中まで辿り着いたのだ。





「……あぁ、僕の後ろからついてきてくれたらいいからね!?」



シンジは、後ろから歩いてきているはずのミサトに話しかける。



「あぁ、はい……わかりました」



ミサトは、バッグに入った小説を読み耽りながら生返事を返す。つまりは、きちんと聞いていない。





「ここではたくさんの施設もやっているんだよ?健康管理としての病棟もあるんだ。ミサトは病院を使用したことは……って、でええぇぇっ!?い、いないし!?」




シンジは少し嬉しそうに話しながら、ミサトがいるであろう背後に振り向く。だがしかし、いるはずの彼女がなぜかいないのだ。



「……な、ななな、なんで!?」




確かにここには曲がる道は多々あった。だが、自分の後ろにいたのなら道をそれることはないないだろう。と勝手に考えていた。




「うわわわわッ!!マズイよね!マズイよね!?あっ、そうだ!!携帯で所在を確認しようッ!!」




シンジはバッグから大きな音を出しながら、自分が本部から支給されている携帯を出して番号を押そうとするが、誰かに服の裾をつかまれてそれは不可能だった。





「うっ、うわあぁぁッ!?……あぁ、ミサトじゃないか……よかったぁ。一体どこにいたんだい?」





「その……道を、間違えました」





彼女は悪びれもなくそう答えた。推理小説の結末に夢中になって道を間違えた等とは、言えない。





「……そうか。そうだよね!ここ広いし、確かに迷うもんね!!」




シンジも本部についての話に夢中になっていて、彼女がいないことを気づかなかったとは言えない。


そういうところが、彼らはやけに似ているのかもしれない。


彼らの目の前にあるエレベーターの扉が、いきなり開いた。








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