短編小説
□私はウサギ。貴方はうさぎ。
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私はウサギ、長くて大きな耳があるウサギ。ピンクのウサギ。
月を見てピョンと跳ねる。
月を見てペタンとお餅をつく。
私はウサギ、長くて、大きな耳のあるウサギ。ピンクのウサギ。
貴方はうさぎ、耳がないうさぎ。
金色なうさぎ。
月を見ても一度も跳ねない。
月を見ても一度も餅をつかない。
なんで貴方は青い目なのか?
なんで我々は赤い目なのか?
なんで、お前だけ青いのかな?
なんでワタシ達は赤いのかな?
それはお前が仲間じゃないから。
そう、お前が違うモノだから!!
ウサギは、うさぎを暗闇へと突き放した。暗い暗い、谷底へと。
うさぎは、ウサギに落とされる。暗い暗い暗い暗い。闇の底へと。
残ったのは、耳のあるウサギ達。
貴方はうさぎ。消されてしまったうさぎ。いらない、うさぎ。
貴方は跳ねる。ワタシは跳ねない。ワタシは金色、貴方はピンク。
どちらが本当、どちらが偽り。
その答えは、誰が知る。
その答えは、誰も知らない。
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