短編小説

□私はウサギ。貴方はうさぎ。
1ページ/4ページ




私はウサギ、長くて大きな耳があるウサギ。ピンクのウサギ。

月を見てピョンと跳ねる。
月を見てペタンとお餅をつく。

私はウサギ、長くて、大きな耳のあるウサギ。ピンクのウサギ。









貴方はうさぎ、耳がないうさぎ。

金色なうさぎ。

月を見ても一度も跳ねない。

月を見ても一度も餅をつかない。



なんで貴方は青い目なのか?


なんで我々は赤い目なのか?


なんで、お前だけ青いのかな?


なんでワタシ達は赤いのかな?




それはお前が仲間じゃないから。



そう、お前が違うモノだから!!



ウサギは、うさぎを暗闇へと突き放した。暗い暗い、谷底へと。


うさぎは、ウサギに落とされる。暗い暗い暗い暗い。闇の底へと。

残ったのは、耳のあるウサギ達。




貴方はうさぎ。消されてしまったうさぎ。いらない、うさぎ。



貴方は跳ねる。ワタシは跳ねない。ワタシは金色、貴方はピンク。

どちらが本当、どちらが偽り。

その答えは、誰が知る。

その答えは、誰も知らない。







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ