短編小説

□声が似ている貴方へ
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「……ねえ。うさぎちゃん!!」




いま、ルナの声がしたわね?




「どうしたのよ、ルナ?」




ルナはなんか泣きそうな顔になってる。あら、猫でも泣くのね。だなんてルナが聞いたら怒るかな?




「私の声が……ベリルに似てるんだって!……泣けちゃう!!」



ありゃりゃりゃ!?とうとうルナが泣き出しちゃったみたい……。



べ、ベリルって……あのベリル?




「はあ!?……にっににに、似てるわけがないじゃないのよ!?」





……ちょっとだけ私の声が、どもっちゃった……。似てないよね?




「……じゃあ今から台詞を真似るから、聞いててくれるかしら?」




「……う、うん。いいけど?」




私は、承諾しちゃった。これからの大惨事も、知らずに……。







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