短編小説
□サダメなんてなくなればいい
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あたしがあたしじゃなくなる……。月野うさぎが消える……皆の、私に対しての態度が変わった。
……そしてあたしの代わりになって、セレニティが来るんだ。
前世という壁を、乗り越えて……。私の来世にまで来て。あたしの中のあたしを消しに来る……!!
わ、私は怖い!!
皆があたしを忘れたら!?
あたしが皆を忘れたら!?
私をまもちゃんが忘れたら!?
私がまもちゃんを忘れたら!?
皆が私に敬語を使い始めた。とうとう近くに来ているのね……?私が月野うさぎを捨て去り、セレニティーとして覚醒するときが。
……皆があたしを忘れてしまうなら。私が皆を忘れてしまうなら。こんな未来なんか、いらないわ!
こんなサダメなんて、いらないのに!!こんな忌々しい額に刻まれた紋章なんか、いらないのに!!
サダメが、宿命が皆を奪い去っていくんなら、こんなサダメ。消えちゃえばいいのに……!!
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