短編小説
□男嫌い
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「ねぇねぇー!レイちゃぁん!」
あぁ……今日も愛しのうさぎの声が聞こえるわ……。この感覚が平和というものなのね!私は本当に幸福者かもしれないわ……。
「……あぁら何ようさぎ?あんたってば今日も暇なのねぇ……?」
私ったらまたうさぎに悪態を!!
本当に最悪だわ!何で私はこんな性格なのかしら……!なんか我ながら悲しくなってきたわよ!!
「むぅっ!ひっ暇だもんっ!!」
すると……。うさぎはいつもの様に、私といつもの口喧嘩……。
「ねぇレイちゃん!私、レイちゃんに聞きたい事があったの!!」
と笑顔でのうさぎの言葉に少し考えさせられたわ。私ったら、うさぎに隠し事あったかしら?
確かに口喧嘩は絶えなかったけれど、嘘や秘密は隠し持っていたことはないはずのに……。
「……レイちゃんはさぁ、何で男の人が嫌いなのぉっ!?」
だなんて目を輝かせて聞くもんだから、少し恥ずかしいわよ!!
しかも、うさぎったら身長が小さいからいいアングルの上目遣い!
わ、わかってるわよ!?本当にわかってるんだからねぇっ!?
これはうさぎは狙ってやってるって事じゃないってことはね……。
「男ってさぁ、単純じゃない!それにすぐ誰でも信じちゃうし、すぐに騙されるから嫌いなのよね」
私はうさぎにこう教えた。私が初めてついた、うさぎへの嘘。
でも、うさぎは決して疑ったりはしない。そういう子だから。
「ふぅん……。そうなんだぁ!!ありがとうね、レイちゃん!!」
とうさぎは元気に走っていった。
男嫌い……。うさぎ。
あんたの周りにヒョコヒョコ引っ付いてくる男共を見てたら、自然に嫌いになっちゃうっつぅのよ!
そんなこと、あんたはずっと知らないままでいいのよ。
私はあんたと口喧嘩してる日々があるだけで、幸せなんだから!!
fin