シリーズ物
□あぁ、なんて欺瞞
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ゲラゲラと、笑いあっている。
意気揚々と、はしゃいでいる。
少しだけ不安なことを相談する。
楽しげな笑い声が聞こえてくる。
ゲラゲラ、ケラケラ……。
笑い声を出しているのは、家族。
そして家族に囲まれるのは、私。
皆で、笑う。笑う。笑っていく。
それはもう、二度と叶わない。
「もう……誰も残っていない」
とうさぎは答えた。
笑い声が止み、静けさが残る。
ここは、闇。闇。闇だけがある。
闇の中にいるのは、私。
独りになってしまった、私。
私を独りぼっちにしたのは、私。
そして私の周りには、『ワタシ』がたくさん集まってきていた。
皆、笑う。ずっとずっと、笑う。
なんだか、とても楽しそうに。今が、幸せだと言わんばかりに。
私はたくさんの『ワタシ』に囲まれていてすべてに取り残される。
そして、私が立っていた場所だけが、ガラガラと崩れ落ちた。
私も一緒に、闇から闇へと。
私を待つのは、いつも闇だ。
『バイバイ』
その様子を、たくさんの『ワタシ』が笑みを浮かべて眺めていた。
堕ちていく私をさも、嬉しげに。
全員がニヤニヤと笑っていた。
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