シリーズ物
□家族の呪縛
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金髪の髪の毛を二つのお団子にした少女が楽しそうに歌っていた。
「……たらった、らった、らった!!うさぎのダッンスぅッ!!」
スキップしながら楽しげに歌う。
うさぎは、いつもの歌を軽快に歌いながら、自宅を目指していた。
今現在うさぎは、中学一年生で育ち盛りの真っ最中でもあるのだ。
「いよぉしッ!!家に到着ね!!家の鍵は何処かいなっとぉ!!」
と、明るく言うやいなや、うさぎは自分のボストンバッグから家の鍵を出して、鍵穴に差し込んだ。
だが、ドアノブが回らない。
「……あれ?ドアノブが回らないわね。……なんでかな。じゃあ、鍵が開いてんのかな?……まあ!気にしない!!気にしない!!」
と、うさぎは家族がいることに驚いたが別段、気にしなかった。
そして豪快にその扉を開けた。
「さって……たっだいまッ!!」
と明るく言ってから、うさぎは笑顔のままで玄関に入っていった。
「とりあえずリビングにッ!!」
そして玄関に靴を脱ぎ捨てて、急ぎ足でリビングへと向かった。
リビングからは、物音ひとつしない。靴は家族分あったのだが。
「……なんか、嫌に静かね……」
うさぎは首をかしげている。
リビングの扉をスッと開け放つ。
だが、次の瞬間にうさぎの顔は、ピシッと凍りついてしまった。
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