短編小説
□家族フォーエヴァー★
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1喧嘩
Å子供の喧嘩はくだらない
「あんたが食べたんでしょうが!!見てたんだからね!あのプリンは、私のだったんだからね!!」
「あたしじゃないよ!!あたしは美奈と一緒にいたんだから!!」
とうさぎはレイに一生懸命に反論した。すると美奈子も勢いよく立ち上がって、うさぎに加勢する。
こういう時の双子はやたら強い。
「そーよ!!いつもあたしかうさを責めんのやめてよバカレイ!」
とうさぎを庇いつつ、レイにそう力強く叫んだのは美奈子だ。プッチン、と何かがキレる音がした。
「なんですって!?あんたらにバカって言われたくないわよ!!」
「あたしだってバカレイに言われたくなんかないんだからッ!!」
とうさぎと美奈子の声が綺麗にハモった。まるでマナカナである。
「そこで無駄にハモんなくていいのよ!!このバカ双子ぉー!!」
「な、なぁ亜美……あいつらはなんの喧嘩をしているんだ……?」
まことが素早く食器を洗いながら、近くにいた亜美に質問をする。
「うさぎか美奈子が、レイが残してたプリン食べたって大騒ぎよ」
と亜美は、かなり分厚い参考書を読みながらしれっと答えていた。
しかし、まことは焦っている。
「……えぇッ!?……あのプリンは、レイのだったのか……!?」
と少しだけ顔面蒼白のまこと。
どうやら犯人はまことのようだ。
「……後でレイにきちんと謝った方がいいわよまこと姉さん……」
「……うーん。謝りたいんだけど、あの空間に入る勇気がない。なぁ父さん、どうすればいい?」
「……まこと……うん。ほっておきなさい。子供の喧嘩だからね」
と新聞を読みながらしれっと答える衛にまことはジト目を送った。
「父さん……それって、ただたんに面倒なんじゃないの……!?」
「ちっ、違うぞ!?違うから、まことはレイに早く謝れよ!?」
「誰も信じたくない!……いや、まぁうさぎは信じるけどさ……」
「ちょっとまこと姉さんったら落ち着いてよ!!また危ない妄想モードに突入しているわよ!?」
end
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子供の喧嘩とは、大人からすれば、皆馬鹿馬鹿しいものなのです。
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