小説

□赤く染まれば※
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「よし!!ウィグニー国の北軍が撤退したらしいぞ!!どうだウィグニーめ!ラスティンクを舐めるな!!」


朝から父さんはリビングで新聞を広げながら上機嫌に微笑んでいた。

俺はそれを横目で見ながら溜息を付き、人差し指を少し上げカーテンを全て開けながら席についた。

「レイル!今日私は機嫌がいいぞー!!何だって起こせそうだ!家だって簡単に浮くな!」


「機嫌がいいのは見てわかるよ。」

俺は一言吐き捨てるように言えば、召し使いが運んでくれた朝食を静かに口へ運んだ。








ここはラスティンク国。

この土地で生まれ、この土地で育った者は魔力が宿ると言われる不思議な地域だ。
まあ、いわゆる魔法つかいの国。


この国では魔法を使って生活するのが当たり前で、普通の人間がいるのがめずらしい程に、みんな好き放題に空を飛んだりしていた。


普通魔法とは魔法陳を書いたり、杖を使ったり呪文というイメージがあるが、そんな事はない。
魔力を放出させようと思えば普通に使える。

まあ、皇室魔法使いや位の高い魔法使いは大掛かりな何かをする時は魔法陳を使うが。





俺の家は代々皇帝に仕える貴族だから、それなりに財はあり上に立っている。
優秀な者もこの貴族の中からたくさん出ているらしい。
父は一応、ラスティンク国皇室第一魔法隊隊長という肩書を持っているくらいだ。


だが、俺は特にそんな物には興味がなかった。

俺が唯一頭の中心に置き、世界でもっとも愛してるのは













兄だけだから。







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