小説

□大好きなアナタへ
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湘北高校体育館。

ただ今の時刻、19時30分。

居残り練習を終えて、三井と宮城は現在二人切りでモップ掛け中。



「三井サン、お疲れサマ。」

「…オゥ。」

「ね、今日うち来れます?」

(…そら来た。)

最近部活が終わると、必ず宮城は俺に同じコトを聞く。その、なんつーか。つ、付き合うように、なってから。

キ、キスとか、手繋いだりはしたんだけど。
なんつーか、その先は…まだなワケで。宮城が俺のこと、大事にしてくれてんのは、わかる。

…けどやっぱ、怖い。アイツの家に行くってのは、そーゆーコトなわけで。
俺は思い切れねェ。



「あー…悪ぃ。今日は無理。」

「えー!今日もォ!?」

「いや、遅くなるとババァがうるせェんだよ。」

「そっかぁ…ま、仕方ないスね。大事な大事な元ヤン箱入りムスメだもんね。」

「テメェ誰がムスメだ!誰が!」

「俺の可愛いハニーが。さて、そろそろ帰りましょ三井サン。送りますから。」

「必要ねェ!ハニーじゃねェ!女扱いすんなよ!」

宮城はいつもそうやって、大分遠回りになるのに俺を家まで送る。前に俺が、下校中に絡まれてから。

だからほんとは、言えないけど、宮城にゃすげェ感謝してんだ。


さ、させてやってもいい、と思って、る。

けど、……やっぱマジで怖ぇんだよ!痛いの苦手だしよ。

だからどーしても、さっきみてーに断っちまう。


…俺、宮城にどう思われてんだろ。


アイツやっぱ、…シてぇのかな?

いつまでもヤらせねーと、俺…嫌われちまう…かな。




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