小説
□迷惑な男達
1ページ/3ページ
日曜の、昼下がり。
部活終わってからメシ食って帰ろうぜーってなって。
俺は今宮城とファミレスにいる。
宮城は、デートだっつって浮かれてて。
なんつーか、恥ずかしい。
デートだって言われると、なんか異常に緊張する。
普段あんま真っ直ぐ見ることのねェこいつの顔が、近いのとかを変に意識しちまったり。
俺の気持ちなんてわかんねー宮城は、部活で桜木と流川が喧嘩して、二人して赤城にぶん殴られたこととか。
昨日帰り道に海南の清田にあって、うるさかったからシカトしたこととかを、すげぇ楽しそうに俺に話してくる。
…………………
…………………
…一生言うつもりねェけど、笑顔が、眩しい。
マジで、目が眩むほど。
「でさァ三井サン、そしたらねー、って聞いてます?」
宮城の目の中に俺がいるーとか思いながら、ぽけーっとしていた俺は。
ぶっちゃけ聞いてなくて。
「へ?オゥ、聞いてる聞いてる。」
聞いてねぇとも言えなくて。
「ウソぉ。今絶対聞いてなかったスよね。」
案の定すぐバレて。
俺に、見とれてた?なんて。
バカだけどその通りのこと言われて。
慌てて否定したけど墓穴掘った感丸出しで。
「マジで!俺、んなにかっこいースか。」
さっきの、キラッキラの笑顔でそう言われちまえば、俺はカンペキ挙動不審。
(なんか!なんか、ごまかせるもの!)
探しちゃみるが、部活終わって、死ぬほど腹減って3人分ぐれぇ頼んだ料理はまだ来ねぇし。
ドリンクバーさっき取りに行ったばっかだし!
(なんも、ねェ!…あれ、アイツ…!)
なんか、もう。
恥ずかしくて消えそうになってた俺に、天の助けが舞いおりてきた。
「仙道!」
「え?仙道?」
すぐに目に付く、あの長身。
「おい仙道!こっち!」
特徴のある、ツンツン頭。
(助かった!)
「あれ。三井さんじゃないですか。…あと宮城も。」
「仙道、おめぇこれからメシ?」
「そうです。バスケ部の奴らと来てたんですけど…なんか席狭くて。三井さん達二人なら、すいませんけど一緒に座らせてもらえません?」
「ハァ?ふざけ「おめーらデケェからなぁ。座れよ。」
思い切り拒否オーラ丸出しの宮城の言葉を無理やり遮る。
「いーよな宮城!な!」
「まァ、三井サンがそーゆーなら…」
「ありがとうございます。三井サン、宮城。」
(…助かった。二人きりよりゃ、緊張しねぇ。)
一方。
二人だと緊張しちゃって話せないの、だなんて、可愛らしい悩みを三井が抱いているとは露知らず、宮城リョータは急速に不機嫌になっていた。
,