小説

□迷惑な男達
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日曜の、昼下がり。

部活終わってからメシ食って帰ろうぜーってなって。
俺は今宮城とファミレスにいる。


宮城は、デートだっつって浮かれてて。

なんつーか、恥ずかしい。


デートだって言われると、なんか異常に緊張する。

普段あんま真っ直ぐ見ることのねェこいつの顔が、近いのとかを変に意識しちまったり。


俺の気持ちなんてわかんねー宮城は、部活で桜木と流川が喧嘩して、二人して赤城にぶん殴られたこととか。

昨日帰り道に海南の清田にあって、うるさかったからシカトしたこととかを、すげぇ楽しそうに俺に話してくる。

…………………
…………………
…一生言うつもりねェけど、笑顔が、眩しい。

マジで、目が眩むほど。



「でさァ三井サン、そしたらねー、って聞いてます?」

宮城の目の中に俺がいるーとか思いながら、ぽけーっとしていた俺は。

ぶっちゃけ聞いてなくて。

「へ?オゥ、聞いてる聞いてる。」

聞いてねぇとも言えなくて。

「ウソぉ。今絶対聞いてなかったスよね。」

案の定すぐバレて。

俺に、見とれてた?なんて。
バカだけどその通りのこと言われて。

慌てて否定したけど墓穴掘った感丸出しで。


「マジで!俺、んなにかっこいースか。」

さっきの、キラッキラの笑顔でそう言われちまえば、俺はカンペキ挙動不審。

(なんか!なんか、ごまかせるもの!)

探しちゃみるが、部活終わって、死ぬほど腹減って3人分ぐれぇ頼んだ料理はまだ来ねぇし。

ドリンクバーさっき取りに行ったばっかだし!

(なんも、ねェ!…あれ、アイツ…!)

なんか、もう。
恥ずかしくて消えそうになってた俺に、天の助けが舞いおりてきた。





「仙道!」

「え?仙道?」

すぐに目に付く、あの長身。

「おい仙道!こっち!」

特徴のある、ツンツン頭。


(助かった!)



「あれ。三井さんじゃないですか。…あと宮城も。」


「仙道、おめぇこれからメシ?」

「そうです。バスケ部の奴らと来てたんですけど…なんか席狭くて。三井さん達二人なら、すいませんけど一緒に座らせてもらえません?」

「ハァ?ふざけ「おめーらデケェからなぁ。座れよ。」

思い切り拒否オーラ丸出しの宮城の言葉を無理やり遮る。

「いーよな宮城!な!」

「まァ、三井サンがそーゆーなら…」

「ありがとうございます。三井サン、宮城。」



(…助かった。二人きりよりゃ、緊張しねぇ。)



一方。

二人だと緊張しちゃって話せないの、だなんて、可愛らしい悩みを三井が抱いているとは露知らず、宮城リョータは急速に不機嫌になっていた。



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