小説

□つけて!
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学校終わって

部活終わって

三井サンと一緒に俺んち帰って

一緒にメシ食って

一緒にシャワー浴びようとして

頭割れるかと思うほど殴られて

…内側から鍵掛けられて。







あの鍵、壊そう。







一緒にお風呂、の夢は今日も絶たれ、三井サンは俺のベッドの上でゴロゴロしてる。

眠いのかな。俺が濡れた髪拭きながら近づいても、反応ナシ。

いつもは警戒すんのにね。


ごろん、と寝返りをうつ俺のお姫サマ。

嗚呼、なんという無防備。


腹が見えてんだよ!
ハーフパンツから太もも丸出しなんだよ!


なんかもう、全てがエロいんだよ!


「三井サン誘ってんの?」

「……はァ?テメェ何ほざいてやがる」

誘ってるわけねーだろ、と横たわったまま。

ベッドサイドに立つ俺を見上げてくる。

見上げて、くる。



言ってることとやってることがちげーだろ!!

俺は今腰にキてるよ!!

「ウソ。三井サンのエロフェロモンがシてぇって言ってるもん。」

「んだそりゃ!そんなもん出てねーよ!ってうわ!コラ!やめねーか宮城!待っ…」

布団を剥いで、上に乗っかると。


なんかいつもよりスゲー抵抗。

「待てって!なぁ!」

いつもの、照れ隠しでイヤイヤ言ってんのと、なーんか違う気がして。

「どしたの三井サン?」

三井サンと目を合わせりゃ、赤い顔して、フイと顔を反らされた。

「なんか、あったんスか?」

ちょっと不安になってきて、優しく優しく聞いてみる。




「…ム。……けろよ。」

聞き取れない。

「ん?もっかい言って、三井サン。」


三井サンは少し押し黙ると。
真っ赤な顔して意を決したように、

「ゴムつけろっつってんだよ!!」

と叫んだ。
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