お題
□血を求めるのは私の性?
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もしかしたら夢を見ていたのかも知れない………
それはとても切なくて悲しかったから―――
――シャッ―――
カーテンの開く音と同時に朝の眩しい光が部屋に入ってきた。
「………うぅ゛………」
……頭が痛いわ。
「まもりサマ、起床のお時間ですよ。」
「……わかったわ……」
「今日の朝食は王サマと食べてもらいます。さぁ…お分かりになられたのなら早く起きてください。」
「はぁ……」
嫌みな言い方……
未だに起きない頭で今の状況を一生懸命考える。
「……今何時?」
「6:30デス。」
「え…………」
「何でもっと早く教えてくれなかったのよ!!」
「6:00から起こして差し上げたのに起きなかったのはそちらのせいでは?」
「っ!!それより…その言葉使いやめて下さる?気持ち悪いわ!!」
「話し反らしてんじゃねーよ糞姫。たっく…頬っぺたビンタしてもツネってもキスしても起きやしねぇ。夜更かしのし過ぎだバァカ。」
「な!!!!キスしたの?!最低!!!!しかも夜更かしなんてしてないわよ!!!!」
「ぁ〜ギャァギャァウルセェ奴だな。口塞がれたくなかったら大人しく支度しやがれ!!!!」
「妖一の馬鹿!!支度終わったわよ!!」
衣装室から出ようと思った瞬間……
「きゃッ!!!!」
段差を忘れ前のめりになった。
――倒れる!!――
思わず目を瞑ると…
5体への痛みはなく、変わりに鼓膜に痛みが走った。
「馬鹿かお前は!!だっく!何度言わせりゃぁ学習するんだ!!」
鼓膜が破れる!!
毎回この段差で転ける私を毎回助けてくれる妖一。
うるさいけど結局助けてくれるんじゃない。
怒られたのにこのときだけは顔が緩む。
「助けてくれてありがとう。でも鼓膜が痛いわ。さぁ!!広間に行って朝食取らなきゃ!!」
「だっく…都合のいい奴め。」
ぶつぶつ文句を言っている妖一を連れて広間に向かった━━━━