プレゼント

□私は貴方と一緒に
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帰る場所は同じだよ。


《私は貴方と一緒に》

「よし!これでいいかな。」

今日は引っ越しの日。
18年とちょっとを過ごした部屋にある荷物をまとめた。

「あら。それだけでいいの?」

まとめたといっても旅行鞄1つで足りる量。

「もともと用意してあったからね。」

前から同棲っぽいことをしていたので、彼の家にあるので足りていた。

「なんか旅行に行くみたいね。」

少しだけ寂しそうな母の声にじーんとした。

「お母さ…」

―ピンポーン

「私出るね。」

だいたい予想がつく訪問者。

「はぁい。」

やっぱりね。

「あら。妖一くんいらっしゃい。」
「お義母さん。おはようございます。」
「私は無視なの?妖一。」
「あぁ。支度できたか?」
「もう!…できたわよ。」

これ以上怒っても仕方がないとおもい。ヒル魔くんの質問に答えた。

「ん。じゃぁ行くぞ。」

荷物を持ってくれると踵を返した。

「あら、上がって行かないの?」
「すいません。このあと用事があるもので。」

妖一は私の親に会うと必ず敬語で話す。
「ふふ。」

使い慣れない敬語で話している妖一を見るとなんとなく愛されていると思う。

「では失礼します。行くぞ。」

笑ったことが不満だったのか最後の部分に力が入っていた。


「じゃぁね。」
「たまには帰って来なさいよ?」
「うん。わかった。」

新しく妖一が買った車に乗り、家に向かった。
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