プレゼント
□プレゼント
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『準決勝に勝ち、クリスマスボールへの切符を獲得したのは!!
泥門デビルバッツ!!』
会場に歓声が響いた。
《プレゼント》
『アメフト部!!決勝進出おめでとう!!』
でかでかと屋上から吊るされている垂れ幕。
会う人みんなに言われる『おめでとう』の言葉。
白秋戦の翌日、学校の話題はアメフト部のことばかりだった。
別に嫌なわけではない。
逆にありがたいくらい嬉しい。
でも、なんとなく腑に落ちないの。
だって女の子達からは『ヒル魔くんの腕は大丈夫ですか?!』って言われるんだもの…
前からヒル魔くんはモテるのは知っていた。
でも 朝から悪魔のためだけに他校から来る子がいたのには驚きだ。
「これ…ヒル魔くんに渡してもらえませんか?」
そうして渡されたのは可愛らしくラッピングされた紙袋。中身はきっと手作りのお菓子かなにかだろう。
せっかく作ったものを
『ヒル魔くんは甘いのダメなの…』
と返せるはずもなく…
「わかったわ。渡しとくね」
と受け取った。
ダメだろうけど渡してみよう。
それをきに、他の子達のプレゼントで両腕が使えなくなった。