企画部屋

ユキムラとユキムラ
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時音に渡すものがあって届けにきた良守。

「すみません…時…じゃなかった…ユキムラ居ますか?」

時音のクラスにつき、とりあえず入口近くにいた右目に眼帯している男に声をかける。

「ah?」

だが声をかける相手を間違ったようで、眼帯の男は目を細めながら良守を睨み付けてきた。

あまりの目力に圧倒されながらも良守はオズオズと再度問いかける。

「…えっと…ユキムラは…」
「…俺のユキムラになんの用だ?」

勇気を出して吐き出そうとした問いは言い終える前に眼帯の男の言葉に掻き消された。

「…え?」

突然の事で頭が動かない。

「時音の…彼氏…?」

大切な幼馴染みにいつのまにかこんなドスのきいた彼氏が出来ていたことがショックで良守は目の前が真っ白になる。

「ha?…ah…ユキムラってsnowの方か。」

だが眼帯の男は真っ白になった良守をよそに体を教室内にむけ声をかける。

「Hey!snowの方のユキムラ!客だぜ!」

その声に我に帰った良守の視界に幼馴染みである時音が入ってくる。

「…良守じゃない?ってどうしたの!?」

普段と変わらない時音をみた瞬間、良守の目から涙がボロボロと溢れてきた。

「と、時音ぇぇ…。」

突然、泣き出した良守に時音もまだ近くにいた眼帯の男もわたわたと慌てだす。

「な、なんで泣くんだよ!?」
「ちょっと伊達くん!良守になにしたのっ!?」

制服からハンカチを取りだし良守に渡しながら時音は眼帯の男…政宗を睨み付ける。

「なんもしてねぇよ!ただコイツがユキムラいるかって聞いてきたから!」

だが、政宗も怯まず返すが時音は眉間に皺をよせてさらに睨む。
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