企画部屋
□にゃんにゃんにゃんの日
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「ゆっきむら♪おはよ!」
「おはようで御座る銀次殿!」
2月22日、幸村が自分のクラスに足を踏み入れると同じクラスの銀次がニコニコと笑いながら近づいてきた。
「なんだか今日は機嫌がいいで御座るな。いいことでもあったんで御座るか?」
幸村は自分の机の横に鞄をかけるとニコニコと笑っている銀次に問いかける。
「へへっ♪幸村にもいいものあげるね♪」
「いいもの?」
その問いに答えるように銀次はそう言うと自分の席に戻り見慣れない袋を取り出す。
「じゃっじゃーん!」
「…は?」
そしてその声と共に袋の中から取り出したのは女子がつけるようなカチューシャのようなもの。
だがそれは普段見るそれとは異なる点があった。
「…何故…猫耳?」
そう…それには猫の耳のようなものがついているのだ。
「なんでって今日はにゃんにゃんにゃんの日だからだよ。」
「にゃんにゃんにゃん…の日…?」
混乱し固まる幸村をよそに銀次はニコニコと笑顔を崩さず近づいてくる。
手に猫耳を持って。
「ま、待たれよっ!」
それを見た瞬間、なにかを悟った幸村は銀次とは逆方向に足を下げる。
「な、なにをするでつもり御座るか?」
ジリジリ、ジリジリと二人は手を伸ばせば届くか届かないかの距離を保ちながら動く。
「だからあげるって言ったでしょ?」
二人は真剣な眼差しだが周りからみたら猫耳のせいか阿呆な絵にしか見えない。
だが、そんな二人につっこめる人物は、教室にはおらず、クラスメイトたちは、ただただ二人がジリジリと動いているのを見守るしかなかった。
「…そなた達は朝からなにをしておる…。」
だが、そんな教室に救いの女神(?)が現れる。