企画部屋

Valentine's Day
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「…っていうかお前らまだ貰ってねぇの?」
「…………」
「…………」

元親の言葉に先ほどまで雑誌を見ながら騒いでいた蛮と政宗の動きが不自然なぐらいピタリと止まる。

「へぇ…珍しいネ。イベント好きなあの二人が昼休みまで引っ張るなんて。」
「…………」
「…………」

二人の様子を見て、まだ貰っていない事に気付いたアジアンが呟く。

それというのも元就やマリアと違って、幸村と銀次はこういうイベントは率先して張り切るタイプだからだ。

それは先のハロウィンやクリスマスでの行動が物語っていた。

しかも二人が率先したくれたおかげで甘味好きで仲のいい元就とマリアも珍しくイベントに参加するため、元親とアジアンは今回も少し期待していたりする。

「お前ら…またなんか悪戯したのか?」

屋上のフェンスに凭れかかりタバコを取り出した元親は呆れながら問いかける。

実を言うと蛮と政宗はよく恋人に悪戯をしては喧嘩をしている。悪戯…と言っても小学生男子が好きな子に悪戯するレベルだが。

「待て!今回はしてねぇからな!」
「Me too!こんな大事な日が近いってのにそんなCoolじゃねぇことするか!」

必死に否定するところをみると嘘ではないようだが貰っていないのは事実のようで政宗と蛮は肩を落とす。

「なんでくんねぇのかわかんねぇんだよなー…。でも昨日、銀次にメール送ったら『明日、楽しみにしててね!』って来たんだぜ?」
「Me too…幸村に電話したら『明日、きっと政宗殿を驚かしてみせましょうぞっ!』って言われたんだよなぁ…。」

昨日の恋人とのやりとりを思い返しながら項垂れる二人を見てアジアンと元親は苦笑する。
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