純情ロマンチカ


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今日は珍しくウサギさんが俺より早く起きていたらしい。

「美咲、おはよう」

俺が階段を下りているとウサギさんがタイミングよくリビングに入ってくるとこだった。

「おはよう、ウサギさん。今日は早いんだね。」
「ちょっとな。それより美咲、こっちに来なさい。」

朝の挨拶を交わしキッチンにコーヒーを煎れにいこうと足をすすめるとウサギさんに呼び止められる。

「?なに?」
「これ。美咲にプレゼント」

と言われて渡されたのはもの凄いたくさんのミニ向日葵の花束。

「え?あれ?今日、なにかあったっけ?」

俺の誕生日はまだだし…なにかのお祝いの日でもなかった気がする。

「…ウサギさん?」

俺が疑問符を飛ばしているとウサギさんは優しげに微笑んで俺の髪をグシャグシャとかき回しながら優しい口調で

「美咲に好きだってもっと伝えたくて買ってきた」

なんて言うもんだから俺の顔は一気に熱をもった。

「…そ…そうですか…」

ウサギさんは本当にいつも突然だ。花束とかの行動もこの恥ずかしい言葉も。

いや…前もって報告する必要はないんだけどさ…ただ俺の庶民ハートが保たないっていうか…恥ずかしいっていうか…

「美咲…好きだ」

ほら…また……

「そ、そんなに何回も言わなくたって聞こえてるよ…!!」

俺は赤くなった顔を見られたくなくてウサギさんに背を向けて貰った花束に顔をうずめた。

「美咲…嬉しくないのか?」

それと同時に背後からウサギさんが抱き締めてくる。

「………っ…ウサギさん…」

ウサギさんは意地悪だ…嬉しくないのか?…だなんて…そんなの……嬉しくないわけないじゃないか…

「美咲」

そういうとウサギさんは優しく俺に口付けを落とす。

「好きだ…」
「…ウサギさん…」




今、感じるのは

花の薫りと

朝陽のぬくもりと

ウサギさんの匂い…

「…花…ありがと……」

END
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