薔薇マリ壱

薔薇の君
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ジー………

自分の家でくつろいでいる今、マリアローズの手には一輪の赤い薔薇がある

しかも薔薇の特徴のひとつとも言われる棘が全てない状態の薔薇だ。

それは自然になった状態ではなくて人工的に削ぎ落とされた

――…アイツの手によって…――

「毎回毎回よくやるよね、本当に。」

買い物へと下界に降りた今日だけでも3本。昨日は…出歩かなかったから家まで押し掛けてきたアイツに1本手渡されたかな。

っていうか押し掛けてくるなよな。うざい。凄くうざい。

『マリアに会いたくて堪らず飛び出してきてしまったヨ。あぁ愛しのマリアローズ…その不機嫌そうな顔もとても美しいヨ!』

なにが会いたくてだ暇人め。僕は会いたくなかったっての。だいたい僕は女の子じゃないんだから美しいなんて言われたって全然嬉しくないし。逆に鳥肌たつ…。うっわ思い出しただけでまた鳥肌が…

『あぁマリアマリアマリアマリアマリア!!!!』

僕の名前を気軽に呼ぶな。しかも連呼するな。
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