薔薇マリ弐

君の唇にキスを。
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「アジアン…」

あぁ…コレは夢なんだろうか…

「ねぇ…僕のこと…好き?」

マリアが…愛しの紅い薔薇が上目使いでボクを見上げてすがっているだなんて…!

「…好きに決まっているじゃないか…マリア…」
「…本当?」

あぁっ!マリア!そんな可愛くコテンと首を傾げるなんて!可愛すぎるっ!可愛すぎるヨ!マリアっ!

「本当だヨ…ボクはマリアに嘘なんてつかないからネ」
「うん…」

安心したように微笑みながらぎゅっと腕を腰に絡めてくるマリア…。あぁ…頼むから夢なら覚めないでくれっ!

「…ん…?マリア…なにか飲んでたかい?」

幸せの絶頂に浸っているそんな時だった。マリアの香りがいつもと違うと気づく。

「ん〜?ちょ〜っとだけアジアンの部屋の棚にあったやつ飲んだ…」
「棚にあったやつ?」

言われて部屋を見れば机の上に瓶とグラスが置かれている。

「アレは…」

マリアが離してくれないため(喜ばしい事だ!)、近くにいって確認することはできないが、自分の記憶が正しければアレは昔、ベティに誕生日の祝いに貰ったワインだ。

「…結構飲んだんだネ、マリア…。」

先程、可愛らしく『ちょっと』と言っていたが見れば瓶の中身は、半分以上飲まれている。

「飲み過ぎだヨ」
「飲みすぎてなーいー!ちょっとって言ったでしょ〜!」

少し諌めるようにそう言うとマリアは口を尖らせて頭をボクの胸にグリグリ押し付けながら『ちょっとだけしか飲んでない』と言い張る。

その姿がとてつもなく可愛い。可愛すぎるっ!
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