薔薇マリ弐

ハロウィンin2010
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今日はハロウィン。10巡月31番目がそんな日だと知ったのは昨年のことだ。

「……………」

トマトクンの思いつきのハロウィンパーティーで酷い目にあったあの日からもう1年も経ったんだ…。

なんていうか1年が過ぎ去るのは早いね。

まぁ今年はそのお騒がせ男の思いつきもなく、僕は自宅で寛いでいるんだけど。

別にあのパーティーは嫌じゃなかったよ?嫌じゃなかったけど…正直ツッコミ疲れた。

だってほぼ全員ボケるんだよ?

無理無理。対応しきれるもんか。

「とりあえず今年は静かに過ごせる…。」

―コンコンッ…―

去年の事を思い出しながらハァーと深い溜め息をつくと玄関からノックの音が聞こえた。

「…誰だろ?」

ユリカやサフィニアは今日は用事があるって言ってたし、自宅を教えていないから魚でないことは確かだ。

「ピンプかトマトクンかな?」

なんの用だろ?と玄関の鍵を開けた瞬間、扉が勝手にガチャッと開く。

「やぁマリア!トリック・オア・トリート!」

声のした扉の向こうに視線を向けると愉快な格好をしたストーカーもといアジアンの姿が目に入った。

「……間に合ってます。」
「え!?待っておくれヨ!マリア!」

その姿を見た瞬間、去年の疲れがどっと体を襲った。なに?なんなわけ?

「マーリーアー…」
「うっさい!どっかいけっ!」

扉を閉めようとした瞬間、無理矢理体を割り込ませてくるせいで扉を閉められない。

「寒いんだけどっ!」
「じゃあボクが暖めてあげるヨっ!」

叫んだ言葉に予想通りの言葉が返ってきて頭が痛くなる。

「うんそうだね気温的な意味でも寒いよね!でも違うから!寒いのはアジアンの格好だからっ!」
「ボクの格好?」

そう言いながらアジアンは自分の格好を見る。

「別に露出をしているわけじゃないヨ?」
「…だから…そういう意味じゃないってば…」

ハァーと溜め息をつきながら再度アジアンに視線を移す。
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