薔薇マリ壱

嫌なものは嫌
2ページ/3ページ

「…メイド服か…」

メイド服にいい思い出はない…まぁ普通あるわけないけど…僕にとって『メイド服』は昔の苦い思い出を思いだしてしまうものでしかないんだ…

ガラスに映る自分をみると昔の嫌な思い出…『マリアンヌ』が立っている

「…………」

『彼女』を見るだけで胸が苦しくなる…裏切ってしまった貴方…こんなにも後悔しているなんて…

「……元気に…してるかな…」
「誰がや?」
「ヒッ…!!!!!」

突然背後から声をかけられ変な声をあげてしまう。

「あっ!」

振り替えると、今一番殴りたい魚…いや、カタリが魚眼を丸くしてこちらを見ていた。

「マリアローズこないなとこでなにやってんねん?」
「カ〜タ〜リ〜…!!!!!」

その阿呆顔が余計に僕の苛立ちを募らせる

「なんや?」
「なんや?じゃないよ!なんで僕がこんな格好しなくちゃいけないんだ!!!!!」

白いエプロンを乱暴にとるとそれをカタリに投げ付けた。

「イタタ…なんでて…バイト紹介してくれゆうたんマリアローズやないか」
「確かに言ったけど誰がこんな格好したいっていったんだよ!もういい帰る!」
「は?お、おいっ…!マジで帰るんかマリアローズ!?」
「当たり前だろ!店長には君から言っておいてよね!」

そういって僕は急いでメイドカフェを後にした。







後からカタリに聞いた話だけど。

「マリア…あぁ本当にキミはなにを着ても美しい…」

僕が帰ったなんて知らないアジアンはずーっと僕がコーヒーを持っていくのを待っていたらしい。

でも仕方ないだろ…嫌なものは嫌なんだから…

END
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ