薔薇マリ壱

強くなりたい
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「…アジアン…」

この男が憎らしい…

「無事のようでなによりだヨVvあぁキミになにかあったらと思うとハラワタが煮え繰り返ってしまいそうになるヨ」

僕が欲しいものをアジアンはすべて持ってる。力も頭脳も仲間からの信頼も…。

「……なんで君がここにいる訳?」

僕が僕自身へ向けられない僕への愛情も…。

「マリアが心配だから迎えに来たんだヨ。」
「迎えに来たんじゃなくてずっとつけてたんでしょ?」
「ふふっ…愛してるヨ。マリアVv」

あぁ…憎らしい…

「誤魔化すな!この変態ストーカー男!!!!!」

にくらしい…うらやましい…

「あぁマリアの愛を感じるネ!」

すべてを持っている、アジアンが羨ましい…

「…馬鹿でしょ?」

アジアンのようになれば僕はすべて手に入れられるんだろうか…

「愛故にだヨ。マイスウィーテスト」

アジアンのように…

「………………」
「マリア…?」

急に視界の中にいたアジアンが霞む。その原因が涙だと解るのにはそんなに時間は掛からなかった。

「どうしたんだイ?」

アジアンは零れ落ちる涙を拭うと身を屈め僕の視線に合わせてきた。何故だかその行為が嬉しくて僕は嗚咽を零しそうになるのを堪えてアジアンの上着の袖を掴み頭をアジアンの胸に預けた。

「………わからない……」

いつもなら自分からこんなにアジアンに近づくことなんてしないのに…。

「……悪いけど今日はマリアはボクが連れて帰るヨ」
「…うむ。解った。」

アジアンはそうトマトクンに告げるとトマトクンはいつもの声色で了承した。
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