薔薇マリ壱

長い悪夢のその後は…
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「っていうかマリアはアジアンしゃんのじゃないわよ?」
「そう…です…」

今まで遠くから見守っていたユリカとサフィニアが何を思ったのか急に参戦してきた。

「マリアはウチの大切(たいしぇつ)なちゅっこみだもの」
「え?そこ?」

心なしか楽しそうなのは気のせいだろうか?

「まぁ確かにマリアローズがおらへんかったらZOOはボケっぱなしになるからなぁ」
「君の存在がすでにボケだよね」
「マリアの言う通りだネ。確かにキミはボケ顔だヨ。」
「なんやと!!」
「しょうがないじゃないカタリ。本当のことだもの。」
「ユリカまでそんなこというんかい!!」

またあほな会話が始まったな…と思った時だった。

「え?」
「あ!」

ユリカが僕とアジアンの間に入り込みサフィニアと二人で僕の両側をがっしりと掴んできた。

「ユリカ?サフィニア?」
「なにを…」

突然のことだったからかアジアンと繋がれていた手は有無を言わさず離され、アジアンは目を点にしてユリカとサフィニアを見ている。そんなアジアンを見てユリカとサフィニアはニコッと微笑みかけ、

「それに…マリアは…私達の大切な仲間…です。」
「だからアジアンしゃんのじゃないわ」
「ユリカ…サフィニア…」

なんて言うもんだから僕は恥ずかしくなって、熱くなった顔を隠すようにユリカとサフィニアを引き寄せた。アジアンはそんな僕を見て微かに笑って昼飯時のメンバーの元へと足を進める。今、この瞬間、大切な人たちとの時間を過ごすために。

「ありがとう…」

END
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