薔薇マリ壱

長い悪夢のその後は…
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「あぁ!マリア!!!!」

なんて思った僕が馬鹿だった。愚かだった。浅はかだった。

「ちょっ…アジアン!!どこ触って!!??」
「この勝利は僕たち二人の“愛”の力で勝ったも同然!!つまり僕たちの“愛”が無事通じ合い成就したということだネ!!あぁマリアもようやく僕の“愛”を受け入れる気持ちになってくれただなんて僕はなんて幸せなんだろう!!!!あぁマリアマリアマリアマリアマリア!!!さぁ受け取っておくれ!!僕からの熱いベーゼを!!!!」
「っ!!うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

さっきまでのシリアスな雰囲気なんてどこへやら…事もあろうにこの変態男はいきなり僕に抱きつきキスをしようとしてきた。やっぱりか…やっぱりこういう展開になるのか…!!

「このっ馬鹿!!!少しはシリアスな雰囲気をもたせろ!!」

なんとか無理矢理アジアンを引っぺがし、ある程度の距離をとるもアジアンの変態視線は衰えるどころか更に輝き(?)を増して僕を見てくる

「ふふっ…こんなにも愛しくて堪らないキミが傍にいるのに愛を囁かずにいろだなんて…マリアは余程、僕を興奮させたいんだね…まぁ確かに焦らして焦らして愛を囁き愛を表現するのも、また乙というもの…マリアもなかなかマニアックだネ!!」
「ば!!ばばばっ馬鹿!!!なに言ってる訳!!?そんなつもりで言った訳じゃ…は!!!」

アジアンとのやりとりに夢中になって忘れていたが…そういえば今は皆…そうZOO以外にも昼飯時のメンバーもいることを僕は今まで忘れてしまっていた。

「…………」

周りを見回すと、目を点にして自分達の頭領を見ている昼飯時の人達と、やれやれ…またか…という顔をしているトマトクン、なんだか温かい目で見守っているユリカとサフォニア、意識はまだ回復していないけど頑張ってくれたピンパーネル、キャッキャッと小猿のように馬鹿笑いしながら見てる飛燕、背後に黒い龍のようなものが見える荊王、そして…

「ほ〜マリアローズにはそないな趣味があったんか」

気づくのを待ってましたとばかりにニヤニヤしながら近づいてくる半魚人の姿があった
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