薔薇マリ壱
□なりきってみようシリーズ★
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『刑事新米時代』
「ねぇねぇ君!可愛いね?どこの部署?」
今日は初めての出勤日…なのに署に入って一歩目でこんなクソ警官に声をかけられるなんて…初めからこれじゃ先が思いやられる
「…………」
「あれ?先輩に対して無視はいけないんじゃない?いくら可愛いからって調子に乗んなよお嬢…グハッ」
「あぁ先輩だったんだ?なら先輩…一つ忠告しときますけど…僕、女の子じゃないんで二度と触るなクソ野郎」
みぞおちに食らわしたストレートは見事に決まり男は床に崩れていく
「キミ達…そこで何をしているだイ?」
「……………」
あぁ…すぐに立ち去れば良かった…初日からこんなことをする気はなかったっていうのに…
声をした方を向くと若い黒髪の男が立っていた
「騒がしいから来てみれば…」
見ると制服には隊長の印である腕章がついている…本当に超最低なんだけど…
はぁー…と小さく息を吐くと隊長格の男に向き直り敬礼
「今日付けでこちらに配属されたマリアローズです。申し訳ございません。騒ぎを起こすつもりはなかったのです…が?」
と、事情を話しているときだった…隊長格の男はなにかびっくりしているような目で僕を見ている
「あの…?」
声を掛けると男はハッと我に返ると薄らと微笑んだ
「あっ…あぁ…大体の予想はつくから大丈夫だヨ。この男は美人な子を見ればすぐ迫る奴だからネ。」
「はあ…あの…先輩…」
「ん?なんだい?」
「近いです…」
男はいつの間にか至近距離まで近づいてきていた…さすがは隊長格だというところだろうか…
ていうか何故近づく…?
「おっと…これは失礼。まぁ…でもキミもあまり大胆な行動には出ないことだネ。」
「…解っています。」
っていうか好きでやった訳じゃないし…。なんか苦手だなこの人…なんで僕のことジロジロ見るんだろ
「それでは先輩、僕はこれで失礼しますっ!?」
気まずくなって一礼をし踵を返すと隊長格の男がいきなり腕を掴んできた
「…なんですか?」
驚いたのはこっちの筈なのに何故か男も驚いている
「…いや…すまない…行きたまえ…」
「…?…はい…失礼します。」
それから先輩は僕に何かと面倒をみてくれるようになった。
おかげで刑事課に無事配属されたし今のチームに入ることもできた。
「マイスウィーテストハニーVvあぁ今日もキミは美しい!この深紅の薔薇もキミの前では美しさを引き立たせるための一部でしかないネ」
でも…先輩…いやアジアンとの関係は
「うるさいな!この変態が!!さっさと自分のチームに帰れ!!!」
変な方向に進展していたりする…
End