薔薇マリ壱
□君が僕を見ていてくれている内は
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「……………」
「……………」
そんな奴ならもう会わない…信じて裏切られたくないから。
「……………」
「……………」
長い沈黙の後、何を思ったのかアジアンは片膝をついて懐から赤い薔薇を一輪差し出してきた
「……?」
「マリア。マリアが…もし本当に辛くて辛くて此処(エルデン)で生きていくのが嫌になったら…」
「…嫌になったら?」
「僕と一緒に此処を出て二人で静かな所で静かに暮らそう」
「は?」
赤い薔薇を受け取ってみたものの…その答えは僕が予想していたものとは大きくかけ離れていた…
「…僕は『僕を殺してくれるの?』って聞いたんだけど?」
「大丈夫。僕は君を裏切らないヨ」
「……………」
…筈なのに…なんで君は僕が言って欲しい言葉が解るのかな…
「もし…僕がこの先、君を裏切るようなことがあったら僕は自分の命を自ら絶つヨ。つまりそれくらいの覚悟はあるし君への愛も本当だって事だネ。」
「…馬鹿じゃない…?」
「ふふっ。愛故にの行動だヨ。愛しのマリアローズ」
人間なんか信じられなかった…。信じられるのは自分だけだった。
「…っていうかそんなこといって野垂れ死んだりしないでよ…?」
でも今はこんなにも信じてみようと思える人たちに出会った。
「心配は無用だヨ。マリア。僕が死ぬ時は君の胸の中だと決まっているからネ。それまでは死ねないヨ。」
『君の為ならなんだってするよ』
「……いつ決まったそんなもの…」
その言葉も信じて見ようと思った。
「ふっ。それは君と出会ったときにだヨ」
このまま君を信じさせてよね
「…超最低」
とりあえず君が僕を見ていてくれている内は絶対に。
End