薔薇マリ壱

薔薇の君
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「マ-リア」

あろうことか、この変態は僕の耳に吐息混じりの声で囁いてきた

「…ふ…ぁ…」
「おっと…」

自分の声なのに自分の声じゃないみたいな声がでて全身の力が抜けていくのがわかった。挙げ句、アジアンに、もたれかかる格好になるなんて…超最低…

「マリア…やっぱりココが弱いんだネ」
「う…るさい…」

こんな変態に知られるなんて…

「そんなトコも可愛いヨ」
「………………」

もう抵抗する気力も失せる。アジアンは、また耳許で囁き続ける

「こんなに美しく気高く可愛い君だから僕は君の棘として君を守ろうと決めたんだヨ」
「…………………」

勝手に言ってろ

「マリア…君を守るのは僕だ」
「…………………」

聞こえてるよ

「だからマリアも僕以外から贈られた薔薇は貰っちゃ駄目だヨ?」
「…………………」

君以外に僕なんかに毎日毎日薔薇を持ってくる奴なんかいるわけないじゃないか…。

「大事に飾っていてくれてありがとうマリア」
「…………………」

別に君の為に飾ってる訳じゃないんだけど。っていうかなんで僕大人しく聞いてんの?

「じゃあお礼のキスを…」

お礼だなんてされる覚えないんだけど…まぁ貰えるなら…
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