薔薇マリ壱

嫌なものは嫌
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「……マリア…?」

目の前には目を丸くしているアジアン。

「……………ご注文は…?」

そしてアジアンの目の前にはいるのは黒いロングワンピースにヒラヒラの白いエプロンを身に着けている僕…マリアローズ。

「…えっと…ブラックのコーヒー…」
「…はい。少々お待ち下さい。」

黒いロングワンピースにヒラヒラの白いエプロン…つまりはメイド服。いっとくけど…別に好きでやってるんじゃないから…絶対に。

ここが『メイドカフェ』だから着なくちゃいけないから着てるんだ…。

「………………」

もう一回同じことを言うようであれだけど…好きでここで働いてる訳じゃないから…

いつものごとく…アイツが悪いんだ…あの腐れ魚め…

「…なにが簡単でとっても僕向きのバイトだ…こんな…コ、コスプレ…」

最近あんまり収入が芳しくないからってカタリにアルバイトの紹介なんて頼んだ僕が愚かだったんだ…

「…今度会ったら三枚におろしてやる…」

っていうかここの店長も店長だ…男だっていってるのに「似合うならなんでも良いわ」とかなんとか言って無理矢理、人にこんなもの着せて…まぁさすがにミニスカートだけは全力で拒否したけど…
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