薔薇マリ壱
□君ノ居ヌ空間デ君ヲ想ウ
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2月17日。
「ん〜…久しぶりに爽やかな朝だ…」
10日からインフルエンザで寝込んでいた僕は世間で賑わっていたバレンタインデーに参加をすることなく終わった。
「………………」
まぁぶっちゃけ言ってしまうと僕には関係のない行事だけどね…
「……なんか飲も…」
飲み物を飲もうと冷蔵庫を開けるとラッピングをされた四角い箱が目に入る
「……………」
そう…関係ないとか言いながら実はちゃっかり用意をしていたんだ…
アジアンへのチョコレート…
「…でも…いまさら…ねぇ…?」
バレンタインデーから3日も経っているのにいまさら渡すのもどうかとも思う。
「なんか安売りの買ったって思われるのも嫌だし…」
あんまり甘いものも食べないみたいだし…
「大体僕があげる義理ないし…」
それに…他の…自分のクラスの人とか生徒会の人とかファンの人からもいっぱい貰ってるだろうし…
「…捨てようかな……」
僕のなんてあってもなくても変わらないよね。
「……………」
――ピピピピッピピピピッ――
「あ」
しばらく冷蔵庫の中のチョコを眺めながらボーとしていたがアラームの音でふっと我に返る
「学校いく準備しなくちゃ」
さすがにこれ以上休むと期末のテストに響くから休むわけにはいかない。
「これは後で考えよ。」
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